京王電鉄踏切脱線事故と情報交流手段、SNSの意外な威力

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 昨夜、4月5日(水)午後9時半ごろ、世田谷区松原の井の頭通りと京王線が交わる踏切で、下り列車と乗用車が衝突する事故。乗用車の中には現在も女性1人が閉じこめられていて、意識がない状態だということで、東京消防庁が救助活動を行った。
 その後救助活動は2時間繰り広げられ、死亡が確認された。
 最終まで、京王線は、上下線とも運休、乗客4人が衝突した衝撃で頭が痛いなどの症状を訴えて、病院に運ばれた。警察によると、遮断機が下り始めた踏切に進入していったとのこと。

 事故の瞬間日記は小山田里奈さんのココロ声日記を参照
 京王線と言えば、安全安心が代名詞なほど、本当に止まらない電車である。人身事故が起きたとしても、復旧、ダイヤ回復は、神業的に行われていく。
 そんな安心しきった、京王線ユーザーに突如、その事故が襲った。
 
 現場は、送電鉄柱がひしゃげ、乗用車が車両と、鉄柱にめり込み、大破。電車1両目の車輪は脱線した。乗客もケガ。

 私自身は、たまたま、一本前の急行電車で、現場を通過しており、事故電車(各駅停車)を追い越すはずだった、準特急電車が立ち往生し、調布駅で、私の乗る急行は、この準特急を待ち合わせするはずが、到着せず、先に発車したところから異変を感じた。車内放送に、列車無線がしきりに入り込み、何かが起きたということは考えたが、まさかの大事故であった。
 私の乗る急行は、無事、京王永山駅へ到着、私は自宅に22時30分には到着していた。
 で、友人からの携帯メールと、ほぼ同時に23時のTVニュースで衝撃を知る。

 いつもなら、私が帰宅中の時間であるが、この日は、年度末、年度初め多忙があり、疲れていたので、たまたま早く会社を出て、新宿をぶらついて買える途中であった。
 で、おそらく歓迎会シーズン。帰宅難民がたくさんいると思慮し、ネット検索。あまり情報がない。
ふと自分が巻き込まれた身になってみる。一番欲しいのは、現実の状況を知りたいということでは?
 で、乗客が持っているのは携帯端末がほとんど。ということで、SNSのひとつであるmixiの京王電鉄コミュ(ネット上のコミュニティ)を覗いてみる。日常のトピ(トピックス)の所に少しずつ、投稿が入り始めていた。で、携帯からの、窮状状況を伝える投稿が増え始めていた。
 私の方は、自宅にいて得られる情報を提供することにし、別途、「京王電鉄脱線事故」というトピを立ち上げさせて頂き、ネットや放送を通して得られた情報を書き込み始めた。
 mixi会員の方は、ここを参照
 反応は、意外に早く、立ち上げ6分後には、やはりご自宅に帰ってこられていた女性の方が呼応してくださる。
 11分後には、7番目の書き込みで、新宿駅のタクシー乗り場から女性の悲痛な書き込み。電車が止まりタクシー乗り場は長蛇の列。このトピ確認し、理由がわかった。また、京王に領収書持っていくとたくしー代が出る等々、流してくれました。私もこれを見て、現場の尋常でない状況がわかりました。
 これ以降、様々な状況が入り始め、帰宅した人も、自分が置かれた状況を書き込み始めてくれました。
 その中で、新宿駅周辺の甲州街道(国道20号線)は、タクシーで大渋滞。(あとでわかったのは、無線で都内中から呼び集められたタクシーで渋滞がおこったこと)、踏切が閉まったまま空かないので迂回情報があった。終電時間と共に、振替輸送の他社線も終わってきて、利用しそびれた人は徒歩に切替初めて、舗道上をかなりの人が歩いていること。現場では、伝えられていないが、実は、1両目が脱線していること。等々。
 また、”2ch”サイトから、重要そうな真実性の高い情報を転載し始めた。悪いイメージのあるサイトだが、役に立つ時もある。マニア(異常に情報に詳しく、情報収集能力が高い)が多く、関係者もいらっしゃるようだ。その中で重要な情報はいくつかあった。代替バスが時間で終了したとか、新線新宿駅~笹塚駅間は、京王の乗務員の手配がつかず、運転できていないこと。など。こういう現場での情報が、現地で帰宅難民となっている人は知りたい情報なのであろう。

 夜半過ぎになり、明朝の運転を心配する声が多く集まり始めた。同時に、京王が脱線事故で、それをこのトピで確認できたときは、その場で涙してしまったとか、犠牲者の回復を祈る等の書き込みが多くなってきた。心に余裕がでてきたころだ。

 TVニュース映像などを分析し、伝わった状況は、送電鉄柱が、ぐにゃりといっており、架線も切断され、線路は彎曲している。ということ。また、国交省の事故調査が入るということ。相互乗り入れしている都営地下鉄新宿線内にも明朝使用する京王車両が多く残置されていること。
 それらのことと、日頃のこの種の事故では、翌日営業は無理との意見が多数で、明朝、重要な用事がある人と、通勤者は覚悟すべし。京王では珍しい。いつもすばらしい対応の京王電鉄でもここまでの事故なら無理だろう。ざっとこのような書き込みが行われている。

 結果、翌朝5時始発。5時のニュース。「始発から通常運転!現場付近徐行するため多少の遅れが見込まれる」報道!
 その瞬間から、また、このトピが活況する。このことを伝えるもの。京王絶賛意見。期待通り。
信じていた。京王感謝!京王すごい!改めて見直した!京王LOVEなど。午後を過ぎても書き込みが続いていた。


とりまとめ
・現場で影響を受けた人は、まず事実を知りたい。(意外にも、鉄道社員は整理にあたったり対応をしているし、事故無線しか聞いていないので、状況がわからない)。携帯しかもっておらず、ニュースサイトくらいしか情報収集手段はなく、アクセスも集中してつながりにくい。
・次に知りたいのは、運転再開見通し。が、実際は、事故の規模。見通しなんて誰もわからない。見通し着いたとしても、そのように発表されるはずがない。で、実際は、自分で判断して次にとるべき行動を決断できる根拠だ。つまり、事故規模。周囲への影響。それぞれの場所の状況。皆がどういう行動をとっているか。こんなことは、現地にいる者しかわからない。携帯から入れてもらうしかない。そのモチベーションは、このようなトピが立ち上がり、情報を確認した人が、自分の状況も書き込みしてくれることにつながっていたことは、これまでの経過から明らかである。
・投稿のいくつかにあるように、このトピで初めて状況を知り、最もスムーズに帰って来れたという満足感が一番の安心。つまり、自分で判断できたことが嬉しいし、決断できた。状況わからないと多くの人が、現場にとどまるようである。で、イライラが募り、駅員等に食ってかかる行動に。現に状況がわかり、即行動とれて感謝という書き込みが多くあった。
・携帯だけが唯一の情報入手手段。
・鉄道事業者も情報つかめず、それぞれの駅の職員はもっとわからない。

 実際、午前3時半、事故車は若葉台車庫に回送され、現場の曲がった鉄柱(鉄塔)は、丸太で応急補強(骨折を支える木のように)され、安全確認後、5時の始発から運転開始されたということだ。事実はわからないが、時間逆算し、足りない車両は、それぞれから回送させたに違いない。
 さすが、京王。この会社には、組織力、ベテランの知恵が活用されているようだ。丸太での補強など、簡単なようだが、強度とか判断できないと決してできないこと。プロが、下請任せではなく、自社内でアイデアだし、始発から通常運転という事業者としての使命に社員一同燃えたものと信じる。
 んー、なんとも美しい。京王沿線の人は、なにが起きても(会社・学校等を)休むことなんて期待できない。という書き込みに感動した。
 NHK総合「プロフェッショナル ~仕事の流儀~」に取り上げて欲しい♪


 
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by kata0311 | 2006-04-06 21:03 | 首都圏