事業仕分け判定 下水道事業/地方移管

11月11日に、政府の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)のワーキンググループ(WG)2010年度予算の概算要求の無駄を公開で洗い出す「事業仕分け」を始めたが、初日の午前に「下水道事業は地方に移管」と判定した。

市町村などが整備する下水道事業(国交省所管)の補助金については「地方に財源を移し、自治体が判断できるようにすべきだ」とした。

これについては大賛成である。
私自身、地方自治体の下水道事業のコンサルタントとして関わってきたが、平成の時代になり整備地域が地方部に移っていったが、国の定める補助金マニュアルを地方部に当てはめていくと、地域の実情に合わない状況が垣間見られた。自治体財政はほとんど考慮されず、画一的な基準で規模や性能が決まっているため過大設備になっているような状況もある。

一度走り始めたら止められず(止めるとその容量、規模で下流から整備する管路施設などが計画に合わなくなり補助金返還などの騒動となることもある)、補助対象事業を行うことで地方交付税交付金の額も増えるという仕組みであったため、どんどん肥大する結果となった。無論、先進国たる我が国の地方で、未だ未水洗トイレ地域がかなりあるのも問題なわけで国のとった政策は間違いではない。

しかし、作るときは補助金対象、維持管理は地方自治体財源となれば、道路整備や、箱物と同様、とっくに人口減少化が決定していた我が国では、財政破綻が起こるのは誰しもがわかることであった。

いわば、米国庶民が、とんどの耐久消費財や食料を”クレジットカード”やローンで購入し、リボ払いを多用した結果、経済上挙うが変わったと同時にすべてのバランスを崩し金融危機になったのと近似する。

リスクを負えるのは当事者だけである。当事者たる市町村住民のあずかり知らない(事実上財政状況や今後の見通しの責任を負っていない住民ということ)ところで、計画され、その恩恵にあずかる建設業界の都合で事業がどんどん執行された結果、破綻や、撤退で事業途中で頓挫している下水道事業が多い。
その結果、非効率(処理推量が満水でないため単位推量あたりの処理単価が高止まり)、事業計画上の下水道料金収入が入ってこないことが複合し、赤字がふくれあがり累積する。これを改善するためには、事業計画通り完成させることが唯一の道である。
インフラを作ってしまったのだから当たり前である。もちろんそれにかこつけて、再開発、人口増政策をとるべきなどとは言うつもりもない。ナンセンスである。

そういう状況だから、いあまさらだけれどもあえて、その実情のリスクを負っている町村に、策を練ることを義務づけるためにも、国庫補助ではなく、財源を移管し、早く軌道に載せるための経営再建策、改善策を策定することだ。

これはエンジニアリング(技術)の問題ではない。下水道事業というと首長も議員も、技術セクション以外の職員も皆さん逃げ出す。それはまやかしであると断言しておきます。

下水道整備の工事や設計、管理は技術論ですが、事業は経営です。事業計画があり、効率経営が求められるし、適切な経営管理が必要なのだ。
ロングタームによる財政計画ろ修正も必要。人口変動が激しい今、都市計画や政策をあわせた財政計画も不可欠である。

さぁ、赤字で苦しむ自治体様、下水道は難しいと逃げるのではなく、経営再建のため、今すぐ、現状分析し、需要予測し、事業計画上の収入にONするために何ができるのかをその地域地域の実情を鑑みて考えていくことを始めましょう。
このような経営は民間が得意です。というか経営の日常である。破綻もあれば、それを乗り切り見事再生したところもある。まずはやってみて次に見えることもあれば、好転して初めて、その先の流れに載ってくるものである。経営とは経年の積み重ねで、突如、変革することは無いわけです。

あらゆる専門家、経営、会計、法律、技術、地域政策、自治、福祉、教育が集結し、比較赤字額がひと桁多い下水道事業のテコ入れは、大きく自治体財政にインパクトを与える。

過大となってしまっている下水道管路に垂れ流され続けているいる「赤字」は、累積し詰まってくる。赤字を垂れ流すのではなく、きちんと計画された適正な水量を流すときのみ、管路の詰まりがないように技術計算された理論で管径も決まるし施設も決まっている。そういう意味では、施設が泣いている。また、技術者がせっかく苦労して設計したものも理論とはかけ離れた状態になっているわけだ。

事業半ばの下水道事業は、効率化するしか策は無い!
早く行えば、それだけ早くなんとかなっていく。

そこに財源が使われていくことは未来への投資である。
投資無きところに、収支改善はない。
のが、今の我が国の地方下水道事業のほとんどにいえる処方箋だ。

首長は、住民に大使、財政状況と下水道事業の赤字要因、および改善策をわかりやすく示し、リスクを負っている住民の理解賛同を促して、住民ぐるみで挑んでいく責任がある。
一方、住民は、下水道料金値上げ反対論では無く、実情を理解していく必要がある。実情に見合わない低下水道料金は、実際は、一般会計から穴埋めし、極端に言えば福祉や教育の財源を食っている。さらに借金を重ねる結果となり破綻へ近づく。
つまり、いずれ、大きなつけが回ってくるということである。「風が吹けば桶屋が儲かる」的な真逆な感じでしょうかね。
適切な料金と、経営再建で当初少しだけ我慢すれば、なぜか儲かっていく可能性が出てくるということです。
これには首長やリーダーの資質が問われます。

追伸ですが、「合併浄化槽」と「下水道」のどちらを採用するかは費用対効果で決まるものであり、きちんと地域に見合うものを分析できます。むやみに過疎地は「合併浄化槽」とならない地域もあるかもしれないと頭に入れてください。今後どこに投資し、どこを集中的に永続的な経済流動のための重点地域にするかも道州単位で責任を持つ必要がありましょう。

詳しくお知りになりたい方は、意見をお寄せください。

これは地域再生、地域自治の問題です。下水道技術論では全くないことを、くどいようですが付け加えます。
キーワードのひとつとして、「PPP(公民連携)」をあげておきます。

多摩大学総合研究所」では、地域経営推進の仕組み、自治の地域づくり
東洋大学PPP研究センター」では、そのアドバイザリーを行っています。

担当:片桐

PPP(公民連携)は、リスクとリターンの最適設計、契約によるガバナンスで、官と民のパートナーシップにより公益事業を行う仕組みです。
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