「コンクリートから人へ」≒「国庫補助事業から地方要求型へ」-建設業淘汰と地方域経済の今後の行方

平成21(2009)年末である、12月25日、政府は臨時閣議で、2010年度当初予算の政府案を決定した。

公共事業費だけに注目すると、ここ数年、前年比−5%となり建設産業に大打撃を与えていた。はずだったのが実は補正予算が組まれ、微減程度になっていた事実がある。
だから、結局、自民党政権時代は、国民には表向き公共事業削減を強調していたのだが、結果としては補正予算で増額となることで、「微減」となていた。少なくとも平成15(2003)年~昨年度まではそういうことが言える。

それでは、今となっては時代に合わぬくらい数が多すぎる建設業・建設関連業の淘汰が進むわけもない。現実は倒産が相次いでいる実態があるが、建設業は登録制のため、独立起業することで建設業者数は減少しているわけではないのではなかろうか。

しかし、民主党政権に変わったことで、その「マニフェスト(政権公約)」の政策を盛り込んだことで、公共事業を過去最大の−18.3%とした(当初予算)。
教育関連、子ども向けのものについて予算が不足し、財源の確保ができていない現状からみても補正予算で増額になる見込みは小さいといえるのではないか。

景気対策で公共事業予算を維持するという意義もあったが、もはや効果が出ていないのは明白だ。

ただし、地方都市などは、事実上、建設業で成り立っている。公共事業が増えれば、建設業は、雇用や機械、車輌の調達は基より、文房具、印刷、食料、ガソリンなどを地元調達するわけだ。
逆に建設業が不況になれば、それらの調達は一気に萎む。地方経済はひとたまりもない。

が、そこだけに注目するのは対応を誤ると考えている。

今後、根本教授(東洋大学経済学研究科公民連携(PPP)専攻)も指摘するように、大インフラ更新時代を迎えるのである。いや既に迎えている。
RC(鉄筋コンクリート)橋りょうの寿命は50年。道路舗装しかり、上水道管や下水道管も50年、設備、施設類は、30年から15年だ。
自治体や国の会計に引き当てや積み立て制度は無い。また、資本金も無い。今は、国は埋蔵金、自治体は、準備金等を取り崩してしのいでいるが、すぐに尽きる。今は自治体存続の猶予期間だ。

つまり、交付税交付金や国庫補助金、起債でまかなってきたインフラ整備は今後、自己資金(補助裏負担金)の手当すらできない地方自治体は、交付金も急減するというスパイラルに巻き込まれる。つまり一気に収入が減るのである。
地域活性化事業などと言う幻想に浸っている場合ではない。

早急に、自治体自ら財政再建計画(民間で言う、再建計画)を定め実行すべき。
そのためには役所だけでやるという考えは捨てるべき。
優秀な公務員は多い。しかし、それらを完遂するインセンティブが無いところに説明責任は発生しない。

民間会社がV字回復するのは、倒産リスクと経営陣のインセンティブがあるからだ。
今回、京セラの稲盛名誉会長が無報酬で、JALのCEOに就任することは別問題であるが、稲盛会長は、「(JALのためというよりは、)、その社員のため、(国民のため)」引き受けると発言した。まさに、援助だ。真のボランティア。

自治体ではどうするか。そういうリスクを負って、インセンティブを目指して自治体改革を進めるようなプレーヤーはそう多くはない。(はず)

そうなれば住民自らがリスクを負って立ち上がる必要があるのではないか。

自治体は、首長が陣頭指揮をとって、まずは市民に向けて現状をわかりやすく説明し、指針を示す必要がある。
どうするのか。神奈川県藤沢市や千葉県習志野市の「公共資産白書」が参考となる。
資産を可視化し、無駄や不足、効率をビジュアルで表現し、市民が判断しやすいように最善を尽くすことに専念すべきである。適切な情報を与えられた市民は、初めて市民となる(責任と実行力を持つ)。

予算皆無、しかし永続的に地域経営を続けることはこれに尽きるのではないか。

インフラ更新、地域活性策、公共の効率化は、官だけで達成できなく、民間のみでは担えないことは、「官民パートナーシップ(公民連携、P/PP)」という手法もある。
民間のビジネスというインセンティブで、契約によるガバナンスを効かせたアグリーメントを構築するのである。そこには双方の役割と責任の適正な設計が必要だ。もちろん、官も民もリスクを負う。金融(ファイナンス)が果たす役割も大きい。

国によるばらまきの時代は終焉を迎えたのは明白だ。道州制の導入も急がれる。また自治体通しの連携や協定なども有効と考える。それは県境を越えてもよいと思う。姉妹都市と財政面まで含めて提携もありなのではないか。
(法規制の問題はあるが)

新年度は、地方の経済は激変する。倒産・廃業もあいつぐだろう。それを良しとする方法は、自治体が抱える、インフラ更新に民間事業者のパワーを活用することだ。リスクも負う代わりにインセンティブもありで。
そこには競争原理も必要だ。

国による幼保の連携や、東京都においては独自に児童館営業時間の延長も打ち出した。公務員だけが「公」を担うのではない時代が来た。最適な役割分担や協同が行われればよい。

硬直化する財政、人口減少高齢化、少子傾向の中、自治体運営の効率化にPPPを活用することは必須となる。

最後に繰り返しになるが、「リスクを負う主体」は、少なくとも比較的知恵やノウハウや競争の中で結果を出せうる存在だ。一方、公共性の担保、契約が適正に行われているかの監視(モニタリング)は、公務員(行政)の存在不可欠となる。

政権は、将来への投資(子ども、人)に大きく舵を切った。その効果が出るのには長いタイムラグがある。そのラグを乗り越え、ソフトランディングするには、国民・市民に危険性も、10年の指針も含め理解してもらうことは必須!!!

それが前提で公民連携(P/PP)は成り立つ。改革中をつなぐ重要な施策になろう。
水面下で着々と進む、(社会)インフラ崩壊、財政破綻、経済破綻。
勇気を持って立ち向かうリーダーの登場が期待される。

地域の大学(研究室)は、地域の問題に関与すべし!そして異分野の連携。(政策、経済、工学、福祉、アート・・・)
地域経済に関わる企業もだ。
そういうコンソーシアムも地域住民と同じリスクを実感すべし!

政府案の当初予算は、公共事業大幅削減だが、一方で、国交省所管「社会資本整備総合交付金」、農水省所管「農山漁村地域整備交付金」を創設する。総額23,500億円だ。含んで18.3%の公共事業の削減ですから、既存の事業費は20~60%削減になっている。

つまり、国庫補助金事業は大幅に無くなり、地方が計画を構築し要求する予算を確保したという急な舵切りが行われたのだ。

強力なリーダーシップにて、難破、氷山への衝突に備えた姿勢を全国民市民がとる必要がある。【警告】
お遊びは終わり。
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